現在、日本政府が年金基金に対し国内資産への投資増加を奨励する意向を示したことが、市場の主要な変動要因となっています。この発言は、国内への資金還流期待を高め、金融政策正常化への観測を強めるとともに、為替介入への警戒感を再燃させ、投機的な円のショートカバーを誘発し、円高方向への強い圧力を生み出しています。 同時に、米国では利上げ期待が後退していることもドル売りの要因です。連邦準備制度理事会関係者からは、中東情勢の緊張再燃にもかかわらずエネルギー価格の持続的な上昇は予想されないとの見解が示されており、市場では7月の利上げ確率は26.2%に低下し、9月の利上げ確率も50.0%と以前よりは抑制されています。米国債の長期金利が低下する局面や入札結果が好感される場合も、日米金利差縮小を通じてドル売り・円買いが進みやすい状況です。 一方で、中東情勢の緊迫化は、原油価格の上昇と安全資産としてのドル買いを誘発し、輸入コストと為替需給の観点から継続的な円安圧力として意識されています。しかし、緊張緩和に向けた外交努力も報じられており、地政学リスクの評価は複雑です。それでも、一部の要人からは停戦が終了したとの発言もあり、リスクは依然として高いとの見方も存在します。 日本国内では、長期金利の上昇や積極財政への期待が高まることで、実質金利や政策運営への懸念から海外勢による円売りが加速し、円安圧力が強まる可能性も指摘されています。また、本邦当局による為替介入への警戒感は、投機的なドル買いを抑制し、ドルの上値を重くする円高圧力として機能しています。 経済指標では、日本の国内企業物価指数やドイツの消費者物価指数改定値が発表され、来週には米国の月次財政収支が予定されています。ユーロ圏ではドイツやフランスのインフレ鈍化が確認されており、欧州中央銀行が7月会合で金利を据え置くとの期待を強化しています。 こうした背景から、市場では突発的な材料によるレートの乱高下への警戒感が示される中、上値では163.0円、162.9円、162.8円、162.6円、162.4円、162.2円、162.1円といった節目が意識されています。一方、下値では161.9円、161.8円、161.7円、161.6円、161.5円、161.2円といった節目が支持線として機能する可能性があります。