日米の金融政策の方向性の違いとそれに伴う金利差の拡大が、構造的な円売り圧力として意識されています。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に少なくとも1回の利上げを行うとの見方が市場で約90%と高く、ドル金利の優位性が資金のドル買い・円売りを促しやすい状況にあります。また、中東情勢の不透明感が地政学リスクや原油供給不安を通じてドル買いを誘発し、円安を助長する要因となっています。日本の5月小売売上高が予想を上回る好調な結果を示したことは、日本銀行の段階的な金融引き締めを支持する可能性も指摘されていますが、現時点では金利差拡大によるドル買い圧力が優勢です。 一方で、円高圧力も存在しています。最も警戒されているのは、日本当局による為替介入への強い警戒感であり、これがドルの上値を抑える要因となっています。当局は一方的な過度な動きに対して警戒を表明しています。また、米国の主要経済指標、特に今週発表される非農業部門雇用者数やJOLTS求人件数などの雇用関連データが予想を下回った場合、FRBの利上げ期待が後退し、米長期金利の低下を通じてドル安・円高が進む余地があります。原油価格の下落もインフレ見通しを和らげ、利上げ観測を後退させることでドル売り・円買いにつながるリスクがあります。さらに、中国が日本の20社に対して輸出規制を強化したことで、地域的な貿易摩擦が市場センチメントを圧迫しています。 現在、161.8円付近で推移しています。上値は161.9円の節目が意識され、これを超えると162.0円、162.1円、162.2円といった節目が次の抵抗線として注目されます。さらに上には162.9円、163.0円、163.6円、164.0円、164.2円といった節目が控えています。一方、下値は161.7円の節目が最初の支持線として機能し、これを下回ると161.6円、161.5円、161.4円、161.3円の節目が意識されます。さらに、161.2円、161.1円、161.0円の節目も下値を支える可能性があります。これらの水準を下抜けた場合、160.9円、160.7円、160.6円、160.3円、そして心理的な節目である160.0円が次の下値支持線として注目されます。市場では、上昇モメンタムはやや薄れているものの、10日移動平均線である161.2円や20日移動平均線である160.9円の節目が維持される限り、162.0円を超えるリスクは残るとの見方が示されています。また、71.6の数値が示唆する過熱感から、上昇の勢いは強いものの、調整局面に入る可能性も指摘されています。