日米の金融政策動向と地政学リスクが、現在の相場環境を形成する主要な要因となっている。 金融政策面では、今週開催される日本銀行の金融政策決定会合において、政策金利は据え置かれるとの見方が市場で広く共有されている。しかし、市場の焦点は、6月以降の利上げに向けた明確なガイダンスが示されるかどうかに集まっている。日本銀行が中立金利に達しておらず、インフレが2%で定着しつつあるとの研究論文を発表しており、将来的な利上げへの道筋を付けているとの見方もある。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)も今週の会合で金利を据え置くことが予想されている。両中央銀行は、高エネルギー価格に起因するインフレの上振れリスクと経済の下振れリスクについて警告する可能性があると見られている。 こうした状況下で、日本銀行の金融政策据え置き観測や日本の財政懸念などが、日米間の金利差を維持し、円売りを誘引する主要な要因として意識されている。また、米国の金融政策や米国債利回りの上昇、利下げ期待の後退が意識されると、相対的にドルが買われ、円安が進みやすいとの見方が優勢である。一方で、次期FRB議長承認などを受け、米国の利下げ期待が強まれば、米金利の低下を通じてドル売り・円買いが進むリスクも指摘されている。 地政学リスクとしては、中東情勢の緊張が継続していることが、原油価格の上昇を通じて日本の交易条件を悪化させ、輸入コスト増から円売りを促す強い円安圧力となっている。米国とイランの和平協議は中止され、米イラン外交は膠着状態にある。イラン側から新たな提案があったものの、米国側は不十分と判断している。このイラン紛争が緩和すれば、日本銀行が6月利上げへのシグナルを出しやすくなるとの見方もあるが、逆に和平協議の進展期待が高まれば、有事プレミアムが剥落し、ドル買いの巻き戻しで円高に振れる可能性も存在する。 市場のセンチメントとしては、中東情勢の緊張継続による原油価格上昇が日本の交易条件を悪化させ、円売りが進むとの見方が優勢であり、これが円安の主要な支えとなっている。しかし、日本銀行が6月利上げへの明確なガイダンスを示さない場合、市場は160.0円台を試す可能性があるとの警戒感も存在する。また、160.0円付近での為替介入警戒感や当局者の強い発言は、上値を抑え、市場の仕掛けを抑制する円高圧力として意識されている。米ドルは、米イラン外交の膠着状態にもかかわらず、一時的に下落する場面も見られた。米国の政局・政策報道、地政学的リスク、日米金利見通し、欧州経済見通し変動といった複合的なリスク要因により、突発的な材料でレートが乱高下しやすいとの警戒感が市場に広まっている。 現在、159.2円付近で推移している。上値については、159.3円、159.4円、159.5円、159.7円に節目が意識される。特に、前取引日の高値である159.8円付近は上値抵抗として注目される。さらに上には、160.0円、160.2円といった節目が位置しており、ここを突破すると3月30日の高値である160.5円が次の上値目標となる可能性がある。下値については、159.2円付近が直近の支持線として機能している。これを下回ると、159.1円、159.0円が次の節目として意識される。さらに下落した場合、157.6円が重要な水平サポートとして注目される。これらの価格帯は、中東情勢や日米金融政策の動向といったファンダメンタルズ要因によって、その重要性が増減する可能性がある。