市場サマリー
現在、為替市場では、160.0円付近での政府・日銀による為替介入への警戒感が上値を抑制する一方、中東情勢に起因する原油価格の高騰が円安圧力を維持し、相場は方向感に乏しい展開となっています。
日本側では、財務大臣が為替市場の動向に対し「必要に応じて大胆な措置を講じる」と改めて表明しており、市場は介入リスクを強く意識しています。また、中東情勢の緊張による原油価格の高止まりは、日本の成長見通しに重しとなり、日本銀行の金融政策正常化のペースを鈍化させる可能性があり、円安要因として作用しています。日本銀行は緩やかな引き締め経路にあると見られていますが、4月28日の金融政策決定会合を巡る不確実性が意識されています。他の主要G10通貨がリスクセンチメント改善の恩恵を受ける中で、円はパフォーマンスが遅れており、オプション市場では円高に対するプロテクションのプレミアムが高まっていることから、円の「キャッチアップ」の可能性も示唆されています。
米国側では、米・イラン間の協議再開への楽観的な見方がリスクセンチメントを改善させ、安全資産としての米ドル需要を低下させています。原油価格の一時的な下落は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め圧力を緩和し、年内の利下げ期待を再燃させる要因となっています。しかし、米国防総省がイランへの追加部隊派遣を検討しているとの報道もあり、地政学的なリスクオフの可能性も依然として残ります。米ドルインデックスは、主要通貨に対して6週間ぶりの安値付近で推移しています。
地政学的な側面では、中東情勢の緊張が継続しており、ホルムズ海峡周辺の状況が原油価格の本格的な下落を抑制し、インフレ懸念を維持しています。米・イラン間の緊張緩和への期待と、追加部隊派遣の可能性が混在し、市場のセンチメントは複雑な状況にあります。
こうした背景の中、価格の節目としては、上値は159.0円、159.1円、159.2円付近に複数の節目が集中し、抵抗線として意識されます。これを上抜けた場合、159.4円、159.7円が次の上値抵抗となるでしょう。心理的な節目である160.0円は特に強い抵抗として認識され、これを突破すると160.3円、160.5円が視野に入ります。下値は、158.9円が最初の支持線となり、これを下回ると158.7円、158.6円、158.4円といった節目が続きます。さらに下落した場合、複数の節目が重なる158.0円が強い下値支持帯として意識されます。158.0円を割り込むと、157.9円、157.4円、157.2円、そして心理的な節目である157.0円が次の支持線となるでしょう。