市場サマリー
中東情勢の緊張再燃が市場のリスク選好度を一時的に低下させ、原油価格にも影響を与え、相場の短期的な方向感に不確実性をもたらしている。
日本の金融政策に関しては、日本銀行の当局者からさらなる利上げの可能性が示唆されており、日本国債利回りが1996年以来の高水準に上昇していることから、市場では6月の利上げ期待が高まっている。しかし、日本のコアインフレ率が予想を下回り、3ヶ月連続で日本銀行の目標を下回ったことで、早期の積極的な引き締め期待は一部後退している。日本銀行は中東紛争によるエネルギー価格高騰と企業コストの転嫁を理由に、今年度のインフレ予測を上方修正しているものの、軟調なインフレデータは円安圧力の一因となっている。また、エネルギー価格高騰に対応するための追加予算検討の報道も出ている。
米国の金融政策については、今週発表されるコアPCEインフレ報告が注目されており、前年比で上昇するとの予想がある。市場は年末までに日本銀行が複数回の利上げを行うと見込んでいる一方で、FRBの利下げは1回のみと価格設定されており、日米の金融政策の方向性の違いが意識されている。
市場の地合いとしては、日本当局による為替介入への警戒感が依然として強く、特に160.0円レベルは過去に介入が観測された重要な節目として意識され、上値を抑制している。現在、159.4円付近で推移しており、上値は159.4円、159.5円、159.8円、そして特に160.0円の節目が強い抵抗帯として意識されている。この介入警戒感が相場の上昇モメンタムを限定している。一方、下値は159.0円、158.8円の節目に支持線が確認できる。全体として、地政学リスク、日米の金融政策の方向性の違い、そして介入警戒感が複雑に絡み合い、市場は慎重な姿勢を維持している。