市場サマリー
現在、161.8円付近で推移している。市場では、米国の利上げ観測の強まりとそれに伴う日米金利差拡大への期待がドルを支える主要な円安圧力となっている。米連邦準備制度理事会は2%インフレ目標達成へのコミットメントを維持しており、健全な労働市場と3%を超える粘着性の高いインフレがドル高を後押ししている。市場では年末までに20ベーシスポイントの利上げが織り込まれ、12月には82%の確率で利上げが予想されている状況だ。また、中東情勢の緊張が有事のドル買いを誘発する可能性や、日本の財政悪化懸念、実質金利の大幅なマイナスも中長期的な円売り圧力として意識されている。日本銀行の政策正常化ペースが緩やかであることや、主要経済圏との金利差が依然として大きいことも、円の上昇を抑制する要因となっている。
一方で、日本政府や日本銀行、さらには日米当局による過度な円安是正姿勢や介入協議への思惑が強く、特定の水準では円買い介入への期待が上値を抑えるとの見方が市場で優勢だ。日本銀行の引き締めや利上げ観測が強まれば、日米金利差が縮小し、円の投資魅力が相対的に改善する可能性がある。実際、日本銀行の最新の「主な意見」では、一部の政策委員から「数ヶ月ごとの利上げ」や「中立金利への早期引き上げ」を求める声が上がっており、日本銀行総裁も基調インフレが2%に向かう中で金利引き上げと金融緩和度の調整を継続するとの引き締めバイアスを再表明している。また、中東情勢に起因する原油価格の動向が米国の長期金利低下を促し、ドルの金利魅力や有事プレミアムが後退する場面も見られる。米国の新築住宅販売件数が住宅ローン金利の上昇を背景に予想外に減少したことも、ドル安要因として意識されている。
こうしたファンダメンタルズ要因が交錯する中、上値は161.9円、次いで162.0円の節目が意識される。さらに上昇した場合は、162.1円、そして162.2円の節目が重しとして注目される。介入警戒感が意識される中、これらの節目が上値を抑える可能性が高い。一方、下値は161.5円の節目が意識され、その下には161.3円、161.1円の節目が控えている。さらに下落した場合、160.9円、160.8円、160.7円といった節目が支えとして機能する可能性がある。特に160.0円の節目は心理的な節目として意識されており、当局の介入ラインとしても注目される。