市場サマリー
現在、161.9円付近で推移している。市場は複数のファンダメンタルズ要因と地政学リスクが交錯し、相場に影響を与えている。
円安方向への圧力としては、中東情勢の不透明化が地政学リスクや原油供給不安を通じてドル買いを誘い、相場の下値を支えている。米国の利上げ観測や長期金利の上昇によりドル金利が優位性を保っており、資金がドル買い・円売りに傾きやすい状況が続く。日米の金融政策の方向性の違いや日本の実質金利のマイナスが続くことで、金利差拡大が構造的な円売り圧力となっている。さらに、中国が日本の輸出管理リストを拡大したことで、防衛やレアアース分野におけるサプライチェーンリスクが高まり、地政学的緊張がドル買いを助長する可能性も指摘されている。
一方で、円高方向への圧力も存在している。日本当局による為替介入への警戒感は依然として高く、実際の円買い介入観測がドルの上値を抑える要因となっている。米国の主要経済指標(PCEなど)が市場予想を下回る結果となれば、利上げ期待が後退し、米長期金利の低下を通じてドル安・円高が進む余地がある。原油価格の下落も、インフレ見通しを和らげ、利上げ観測を後退させるリスクを内包している。また、日本の5月商業販売(卸売・小売ともに好調)が予想を上回る強い結果となったことは、日本銀行のさらなる金融引き締め期待を裏付ける材料となり、円高に寄与する可能性も考えられる。
市場のセンチメントとしては、中東情勢の不透明化が地政学リスクや原油供給不安を通じてドル買いを誘い、円安を助長するとの見方が優勢である。しかし、地政学的および国内の経済データが円を支援する内容であるにもかかわらず、資金フローのデータでは円の資金流出とネガティブな保有が示されており、根強い円売りポジションが存在していることが示唆される。現在の相場は一時的な調整局面を脱し、上昇を継続しているとの見方があるが、大幅な反落の兆候はまだ明確ではない。米政局・政策報道、地政学的リスク、米日金利見通し、欧州経済見通し変動といったリスク要因により、突発的な材料でレートが乱高下しやすい状況にあるため、市場は引き続き警戒感を維持している。
こうした背景の中、価格の節目では、下値は161.7円、161.6円、161.4円、161.3円が意識され、さらに161.0円の節目が下値支持線として機能する可能性がある。また、160.7円、160.6円、160.4円、160.3円にも節目があり、159.7円の節目も下値を支える水準として注目される。
一方、上値については、161.9円、162.0円、162.1円、162.2円に節目が意識されている。特に162.0円から162.4円にかけては上値抵抗として機能する可能性があり、この水準を突破した場合、163.7円、さらには164.4円が次の上値の節目として意識される。