市場サマリー
米ドル高が広範に進む中で円が対ドルで下落し、約40年ぶりの安値圏に接近している。この円安基調は、主に日米間の金利差拡大と米経済の堅調さ、そして地政学的な緊張による安全資産としてのドル選好が背景にある。市場では、日本銀行が金融政策の正常化を進めているものの、そのペースが他の主要中央銀行に比べて緩やかであるため、金利差がキャリートレードを助長し、円売り圧力を強めているとの見方が優勢である。一部の市場関係者は、市場が日本銀行の金融引き締めへのコミットメントを過小評価していると指摘している。また、日本の長期国債利回りの上昇と円安の組み合わせは、日本の財政状況に対する新たな懸念も反映している。
こうした背景から、現在、価格は上昇基調にあり、複数の節目が意識されている。上値では、約40年ぶりの高値圏である162.8円付近が強い抵抗となる可能性がある。その手前では、162.7円、162.2円、そして市場の予想平均値の上限である162.1円が重しとして意識される。さらに、161.9円、161.8円、161.7円といった節目も存在し、前取引日の高値である161.5円も引き続き注目される価格帯である。直近のセッションでは161.3円や162.3円まで上昇する場面も見られた。161.2円、161.1円も短期的な抵抗線として意識される価格帯である。下値については、161.0円が支持線として機能する可能性がある。その下では、160.7円が意識され、市場の予想平均値の下限である160.6円も重要な節目となる。前取引日の安値である160.5円も下値の目安として注目される。さらに下には160.1円の節目が存在する。
一方で、日本当局による為替介入への警戒感が市場全体に広がっており、これが上値の重しとなっている。当局は過度な変動に対しては介入する用意があることを繰り返し示唆しており、特に予告なしの介入によって投機筋を牽制する可能性も指摘されている。米国の経済指標が予想を下回った場合、早期利上げ観測が後退し、ドル売りが先行することで円が買われる可能性も意識される。また、米国の祝日明けの薄商いでは、参加者不足からポジション調整が急速に進み、ドルが巻き戻されることで円高が進む可能性も指摘されている。