本日注目すべき経済指標・イベント・ポイント
- 2026年07月08日 27:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
- 2026年07月09日 21:30 前週分新規失業保険申請件数
- 2026年07月09日 21:30 前週分失業保険継続受給者数
- 2026年07月09日 23:00 6月中古住宅販売件数(年率換算件数)
- 2026年07月09日 23:00 6月中古住宅販売件数(前月比)
地政学的な緊張の高まり、主要国間の金融政策の方向性の違い、そして日本の財政健全化への懸念が複合的に作用し、複数十年ぶりの円安水準で推移しています。 中東情勢の緊迫化は原油価格を押し上げ、これが米国の長期金利上昇を促し、ドル買い・円売りの動きを加速させています。米国政府関係者によるイランとの覚書「終了」発言も、リスク回避のドル需要を高める一因です。日本が中東からのエネルギー輸入に大きく依存しているため、原油価格の上昇は日本の貿易条件を悪化させ、円安圧力を強める要因となっています。 金融政策面では、米国がインフレ抑制のために金融引き締め姿勢を維持する可能性が意識される一方、日本の金融当局は慎重な政策運営を続けています。政府関係者による金融政策に関する発言が、市場における日本の利上げ期待を抑制し、実質金利のマイナス継続が円の投資魅力を低下させています。また、日本の財政健全化に関する政府方針の変更や財政悪化への懸念が浮上し、日本国債の売りを誘発し、長期金利の上昇を通じて円安圧力を強める側面も指摘されています。政府は中央銀行の独立性を損なう形で低金利政策の継続を求めているとの憶測を否定しています。日本の名目賃金は上昇しているものの、家計支出は減少しており、国内需要の弱さが継続している状況も円安要因として認識されています。 市場は、米連邦準備制度理事会が9月に利上げを行う確率を約68%と織り込んでいます。米国の経済指標が弱含み、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録からハト派的な示唆が読み取られれば、米長期金利の低下を通じてドル売り・円買いが進む可能性があります。また、米国債の入札が好調で長期金利が低下すれば、日米間の金利差縮小を嫌気したドル売りが円高方向に作用する可能性も指摘されています。 一方で、日本の通貨当局による為替介入への強い警戒感が、円の上値を抑える主要な要因として機能しています。市場では、予告なしの介入やその観測が高まると、円買いが急速に進むリスクが意識されています。しかし、介入単独では、根本的な金融政策の転換がない限り、円の持続的な支援には繋がらないとの懐疑的な見方も根強く存在します。 市場の地合いとしては、円安への一方的な取引が過熱しており、投資家は円を借りて高利回り資産に投資するキャリートレードを継続しています。円は多くの評価尺度で割安とされているにもかかわらず、日本の長期金利上昇が財政的負担の兆候と見なされているため、円高には繋がっていません。投機筋は円のネットショートポジションを積み上げており、介入の噂が一時的な円高を引き起こしても、すぐにドル買いに戻る傾向が見られます。この一方的なポジションの偏りは、小さなきっかけで急激な巻き戻し(円高)を引き起こすリスクも内包しています。政府関係者からは、弱い円が輸入物価を押し上げ、家計の購買力を圧迫していることへの懸念が示されており、政治的圧力も高まっています。一部の市場関係者は、円が実質的に過小評価されており、市場は現在の円安トレンドのクライマックスに近づいている可能性を指摘しています。 現在、162.5円付近で推移しています。上値については、162.3円、162.5円、162.6円に節目が意識されています。さらに、162.7円から162.9円にかけても複数の節目が存在しており、特に162.8円は直近の40年ぶりの高値として注目されます。この水準を上抜けた場合、163.0円、164.3円、そして心理的な節目である165.0円が次の上値抵抗線として意識される可能性があります。 一方、下値については、162.1円が最初の支持線として機能します。その下には162.0円、161.9円、161.8円に節目が確認されます。さらに、161.6円から161.7円にかけても複数の節目が集中しており、この価格帯が重要な下値支持帯となります。この水準を下回った場合、161.5円、161.4円、161.3円、そして161.1円が次の支持線として意識されます。160.5円から161.0円の範囲も重要な支持領域として注目されています。