市場サマリー
日米の金融政策スタンスの差と金利差が主要な背景となり、米国の利上げ観測や長期金利の上昇が持続的なドル買い・円売り圧力として作用している。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定会合の結果を強く意識しており、利上げ見送りの場合でも、今後の金融引き締めを示唆するタカ派的な姿勢が示されれば、ドルが引き続きサポートされる可能性がある。米経済の回復力やインフレ懸念、中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇も、FRBのタカ派的な見方を裏付ける要因として注目されている。
一方、日本の金融政策は緩和的な姿勢が維持されるとの見方が支配的であり、積極財政への期待と相まって実質金利の低下が資金流出や円売りを促進する構造的要因となっている。日本銀行が政策を据え置いたとしても、その姿勢が円相場に与える影響は限定的であるとの見方が市場で優勢である。
地政学的なリスクも相場の地合いに影響を与えており、中東情勢の緊迫化は原油価格を押し上げ、有事のドル買いを誘発することで円売り圧力を強めている。また、為替介入への警戒感はドル上昇を抑制する要因として機能しており、特定の水準にドル高が進んだ場合、介入が現実味を帯びるとの観測も存在する。
現在、市場では163.0円から164.2円の範囲が意識されている。上値については、前取引日の高値である163.9円、さらに164.0円、164.2円、164.4円に節目が存在し、この水準では値動きが停滞しやすいと見られている。特に165.0円の節目は、市場の動きによっては当局による介入が警戒される水準として注目される。一方、下値については、163.8円、163.7円、前取引日の安値である163.6円、そして163.4円、163.3円に節目が確認されており、この周辺では底堅さが示される可能性がある。さらに163.0円、162.6円、162.2円にも節目が位置しており、下げ渋る展開となる可能性が指摘されている。長期的な視点では、158.0円が下値の目標として挙げられている。