市場サマリー
現在、円高と円安双方への圧力が交錯する状況にあります。市場の一般的な見方としては、日本銀行の利上げペース加速観測が日本金利を押し上げ、結果として金利差が縮小することで円買い圧力が強まるとの見方が根強く、これがドルの上値を抑える主要な要因として意識されています。また、当局や政府による過度な円安是正への圧力や市場介入への思惑が、市場心理を変化させ、ドルの上値を抑制するリスクとして意識されています。さらに、市場に積み上がったドル買い・円売りポジションの巻き戻しや、日本企業の海外収益を国内に戻す動きも、一段のドル売り・円買いを進行させる可能性を秘めています。
一方で、ドルを支える要因としては、中東情勢の緊迫化による原油価格上昇が世界的なインフレ懸念と米国の長期金利上昇を招き、相対的にドル買いを強める可能性が指摘されています。また、米国の強い労働市場指標が連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ期待を高め、米長期金利の上昇を通じてドル需要を押し上げる展開も想定されます。来週に控える米国の生産者物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)を前にした利上げ思惑も、金利差拡大を通じてドル買いを優勢にする圧力となっています。
全体としては、米国の金融引き締め継続への思惑と、日本銀行の金融政策正常化への期待が綱引き状態にある中で、政局・政策報道、地政学的リスク、金利見通し、欧州経済見通しの変動といった突発的な材料がレートを乱高下させるリスクも常に意識しておく必要があります。
こうした背景から、上値は155.6円が意識され、その上には155.8円の節目が存在します。さらに上では、前取引日の高値である156.3円が意識されます。157.0円から157.2円にかけても複数の節目が重なり、上値の重い展開となる可能性があります。一方、下値は154.9円が節目として意識されます。前取引日の安値である154.1円を下回ると、153.3円が次の下値支持として注目されます。さらに下には152.6円の節目も控えています。