市場サマリー
米国の堅調な労働市場と米長期金利の上昇が日米間の金利差拡大を促し、ドル買いを優勢にして円安を支える主要な要因となっている。中東情勢の緊迫化による原油価格上昇とインフレ懸念の強まりが米長期金利を押し上げ、リスク回避の動きと相まってドル高・円安を促進するとの見方が存在する。また、日本銀行の利上げ観測後退、日本の実質金利の低位維持、財政悪化への根強い懸念が、相対的な円売り圧力を継続させている。一方で、円高に作用する可能性のある要因も複数指摘されている。米国のインフレ指標が予想を下回る結果となった場合や、連邦準備制度理事会高官からハト派的な発言が出た場合には、米国の利上げ期待が後退し、ドル売りが進むことで円高に転じる可能性がある。米長期金利や国債利回りが低下し、日米金利差が縮小すれば、ドルの魅力が薄れ、資金が円に戻りやすくなることで円高圧力が生じる。さらに、政府や日本銀行による為替介入への警戒感や、当局からの円安けん制発言も市場の上値を抑える要因となっており、介入への期待が高まれば円買いが強まるリスクも考慮されている。こうした背景の中、現在、市場では156.8円から158.7円のレンジが意識されている。上値は158.5円、158.6円、さらに159.1円から159.8円にかけて複数の節目が重なり、上値の重い展開が予想される。一方、下値は157.9円、157.7円、157.5円、157.4円に節目があり、さらに156.7円から156.1円にかけても複数の節目が位置しており、下げ渋る展開となることが考えられる。今後発表される日本の消費者物価指数や失業率、米国の非農業部門雇用者数変化、失業率、平均時給、ISM非製造業景況指数などの主要経済指標は、これらのファンダメンタルズ要因の評価に影響を与え、市場の方向感を左右する可能性がある。