現在、159.2円付近で推移しています。市場は中東情勢の不透明感と日米金融政策の方向性の違いを主要な動因としています。 中東情勢の緊迫化は、原油価格の上昇を通じて日本の貿易収支悪化や物価上昇懸念を引き起こし、円売り圧力となっています。地政学リスクの高まりは市場のリスクセンチメントを変動させ、リスク選好の局面では安全資産としての円の需要を低下させる傾向にあります。米国とイラン間の停戦交渉の行方や、ホルムズ海峡の航行を巡る不確実性は市場の警戒感を高め、ドルの下支え要因となっています。米国大統領による停戦失敗時の攻撃再開示唆も、状況の脆弱性を浮き彫りにしています。 一方、米国の金融政策に関しては、3月の消費者物価指数が予想通りに上昇したことで、連邦準備制度理事会(FRB)が当面、政策金利を据え置くとの見方が強まっています。連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録でも、インフレ上振れリスクを背景に「より長期にわたる高金利」スタンスが示されており、日米金利差の拡大がドル買い・円売りの要因となっています。 円高圧力としては、日本銀行の金融政策変更への思惑が挙げられます。日銀副総裁はスタグフレーションの状況ではないとしながらも、中東情勢が成長鈍化とインフレ加速を招く場合の政策運営の難しさに言及しています。市場では、日銀が年内にさらなる利上げを実施し、中立金利に近づくことで円を押し上げるとの見方もあります。また、過度な円安に対する当局からのけん制や、為替介入への警戒感も円の下落を抑制する要因となっています。 こうした背景の中、上値については159.2円、159.3円、159.4円に節目が意識されています。さらに上には159.8円の節目があり、特に160.0円は過去に介入が警戒された水準として注目されています。これらを突破すると、160.3円、160.4円といった節目も視野に入ります。下値については、158.9円、158.5円、158.4円が意識される節目となるほか、158.2円は重要な支持線とされています。これを割り込むと、158.0円、157.5円が次の下値支持線として注目されます。 今後の米国消費者物価指数(CPI)や個人消費支出(PCE)の発表、そして日銀総裁の発言が、市場の方向性を決定する上で注目されています。